「Microsoft Rewards」なるものに戸惑っている人へ向けた解説記事
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はじめに
Microsoftのサービスを使っていると「Microsoft Rewards」なるものを目にすることがあります。Microsoft製検索エンジンのBingを使っていると、Microsoft Rewardsのロゴマークが検索結果ページの右上の方に、謎の数字と並べて表示されます。Microsoft製WebブラウザのMicrosoft Edgeを使っていると、「Microsoft Edgeを探索」というキャッチコピーとともに謎の数字が獲得できるようなタスクが表示されます。……なんなのでしょうか?
何より気に障るのは、これについての歯に衣着せぬ説明を探してみても、なかなか見付けられないことです。そういうわけでこの記事では、これが何を目的としたなんなのかについてまとめます。
最初に結論:Microsoft Rewardsとはポイ活サービスである
Microsoft Rewardsとは、ユーザーにMicrosoftのサービスを使わせるためにMicrosoftが用意した報酬プログラムです。ユーザーがMicrosoftのサービスを使うと、その量に応じてポイントが付与され、ポイントは金券などと交換できます。インセンティブです。Microsoft Rewardsはしばらく前まではBing Rewardsという名前の、Bingの利用を促進させるためのものでした。それがMicrosoftの他のサービスでもポイントが少し獲得できるように改修されました。要するに、囲い込みです。
仕組み
Microsoftとしては自社のサービスを、たくさんのユーザーにたくさん使って欲しいと思っています。直接そこでお金を落として欲しいという思惑もあるでしょうし、自社のサービスがよく使われるようになれば、それを対外的なアピールポイントとしても使えるようになるでしょう。そういうわけでMicrosoftは、価値あるポイントを付与するというインセンティブを設定したのです。こういった場面では自社のサービスをよりよくしようと努めるのが普通と考えがちですが、このような策を講じるのも決して理解できないものではないでしょう。
そういうわけで、Microsoft Rewardsは怪しげなシロモノではありません。だいぶ胡散臭いですが。
稼げるのか
価値あるポイントを積極的に貯める生活は「ポイ活」と呼ばれ、根気良く頑張っている人も世の中にはいます。私はそういう人ではなく知識がないため、このMicrosoftによるポイ活サービスを客観的に評価することはできません。
……という風に考え、ポイ活について詳しくなろうという努力を私がし始めたのは今から3ヶ月ほど前のことです。Microsoft Rewardsを実際に使うことで知り得た知見をここに残します。
結論から先に言うと、私はこの85日間で1800円を手に入れました。
ポイントは何になるのか
ポイントの稼ぎ方の前に、手に入れたポイントは何にすることができるのかについて書いておきます。記事執筆時点での交換先を列挙すると次のようになります。
- Win(宝くじ/懸賞)への参加券
- 寄付
- 各種金券
- ゲーム関連
- Robloxデジタルコード
- Xboxデジタルギフトカード
- Microsoft Solitaire Collection Premium Editionギフトカード
- Overwatchコインデジタルコード
- その他
- Uber Eatsギフトカード
- Microsoftギフトカード
- Skype Credit
- Amazonギフト券
- Appleギフトカード
- Uber Ridesギフトカード
- iTunesギフトカード
- TripGiftギフトカード
- ゲーム関連
まず、Microsoftが主催する宝くじへの参加券になります。具体的な当選確率は不明ですが、まぁ割に合わないことでしょう。詳細は割愛します。
寄付に使うこともできます。しかしこの方法で寄付できる団体の数は3つと少ないため、もしかすると後述するAmazonギフト券にして上でAmazon上の支援プログラムを利用した方がよい場面もあるかもしれません。
ポイントは各種金券になります。課金要素のあるゲームの残高にすることができたり、AmazonやAppleの残高にすることもできます。Google Playの残高にはなりません。Amazon上でギフトコードを買うという方法ではAmazonのギフトカード残高は使えません。こればっかりは仕方ないでしょう。
主な金券への交換におけるレートは、「1ポイントあたり0.1142円ほど」で差はありません。不思議なことにMicrosoftギフトカードの場合は「1ポイントあたり0.1円」で効率が少し悪いです。また、Amazonギフト券への交換は600円単位で行うものと1200円単位で行うものの2種類があるのですが、前者が前述のレートであるのに対し、後者は「1ポイントあたり0.0923円ほど」で非効率です。詳しくは各々で計算してください。
ポイントはどうやって貯めるのか
Microsoft Rewardsでポイントを継続的に稼ぐ方法としては、次の3つがあります。
- 「日々のセット」の消化
- (おそらく)不定期で出されるお題をこなす
- Bingでの検索
「日々のセット」とはゲームで言うところの「デイリークエスト」にあたるもので、毎日更新される3つのお題を達成するごとにポイントが貰えるものです。お題としては、次のようなものがあります。
- Bingの検索結果ページが開かれるリンクが表示されるので、それをクリックする
- Bingの検索結果ページで行われる簡単なアンケートに答える
- Bingの検索結果ページで行われるクイズに答える
特に難しいことはありません。リンクのクリックなんて一瞬で終わりますし、アンケートへの回答も2択です。クイズに関してはいくら間違えても問題はありませんので、大したストレスではありません。
不定期で出されるお題に関しても、「日々のセット」同様、難しくありません。
Bingで検索することによってもポイントが付与されます。1日あたりの付与上限はありますが、だからといって稼げないというわけではありません。
これらからわかる通り、Microsoft Rewardsの実態は未だに、Bingを使わせるためのインセンティブでしかありません。
どのくらいのスピードで貯められるのか
私が毎日「日々のセット」をこなし、不定期開催のお題もこなし、Bing上での検索も上限までやったりやらなかったりしたところ、次のようになりました。
- 挑戦日数
- 85日間
- 総獲得ポイント
- 16125ポイント
- 1日あたりの獲得ポイント
- 190ポイントほど
- 1日あたりの獲得ポイントを前述の交換レートで日本円にすると
- 21円ほど
これが他のポイ活サービスの利用と比べてどうなのかについては知識が足りていないのでなんとも言えません。が、私には、その知識を身に付けようとPoint Incomeというものを始めたものの報酬の低さと面倒の多さからアカウントを削除したことがあります。
おわりに
Microsoft RewardsというMicrosoftによるポイ活サービスについてまとめました。なかなかに胡散臭いものですが、ヤバいものではないということを理解していただけたかと思います。
お小遣い稼ぎとしては……アルバイトができる人であればアルバイトをするべきでしょう。すでに定職に就いている人であればほんの少し残業をするだけで、ポイ活には勝てるでしょう。
まぁ私は飽きるまで続けてみようと思います。もう習慣になってしまいましたし、Bing AIのおかげでBingへの嫌悪感はだいぶ薄れていますし、求職中ですし。
追記(2024/01/30)
いろいろと制度が改められた(改悪された)ため現在はMicrosoft Rewardsはやっていません。最終的に稼いだ金額は6600円でした。こうして見るとなかなか高額ですが……改悪されてしまったものはもうどうしようもありません。