無料で使えるオフィススイート「LibreOffice」の基本的な情報
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はじめに
オフィス業務に必要な文書作成やデータ管理などを行うソフトウェアをセットにしたものは「オフィススイート」と呼ばれます。2023年現在、オフィススイートとしては、Microsoftが開発・販売を行うMicrosoft Officeや、Googleが開発するGoogleドキュメントなどが有名です。Microsoft Officeは事実上の標準(デファクトスタンダード)として多くの場で使われていますし、Googleドキュメントは無料で使える上にMicrosoft Officeで出力したファイルを扱えるため人気があります。しかしながらそれらにもいくつかの欠点が存在します。例えば、Microsoft Officeは非常に高価であることで知られていますし、Googleドキュメントはその使用にインターネット接続が事実上必須です。
ここでは、それらの欠点が存在しない、無料で、オフライン環境で使えるオフィススイートである「LibreOffice」についてまとめます。
LibreOfficeの基本的な情報
LibreOfficeはThe Document Foundationによる支援のもと開発されているFLOSS(自由・オープンソースソフトウェア)なオフィススイートです。
クロスプラットフォームであり、Windows上でもmacOS上でもLinux上でも動作します。
ワープロソフトである「Writer」や表計算ソフトである「Calc」やプレゼンテーションソフトである「Impress」などによって構成されています。これらはそれぞれMicrosoft Officeの「Word」、「Excel」、「PowerPoint」と対応しています。
概要 | LibreOfficeでの名称 | Microsoft Officeでの名称 |
---|---|---|
ワープロソフト | Writer | Word |
表計算ソフト | Calc | Excel |
プレゼンテーションソフト | Impress | PowerPoint |
データベース管理ソフト | Base | Access |
ドローソフト | Draw | (該当なし?) |
数式エディタ | Math | (該当なし?) |
LibreOfficeでのファイル形式
LibreOfficeでは標準でODF形式を用います。ODFは、「オフィス文書のためのオープン文書形式」であり、ISOやJISなどから標準規格として認定されています。
Microsoft Officeで使われていたプロプライエタリな形式と違い、オープンな、規格として公開された形式であるこれは、環境が変わっても文書にアクセスできる、ライセンス料を気にする必要がない、ベンダーロックインを気にする必要がないという意味で優れたものです。
ちなみに現在はMicrosoftが策定し使用している形式も「Office Open XML(OOXML)」としてオープン化されています。しかしオープンな場で選ばれるのはおそらくOpenDocumentの方でしょう。
またLibreOfficeでは、Microsoft Officeで作られたOOXML形式のファイルの読み込み・書き込みも、限定的にではありますが可能です。完璧ではないということは念頭に置いておく必要があるでしょう。ですので、LibreOfficeをMicrosoft Officeと併用するのは難しいかと思われます。個人的な文書の管理のためにLibreOfficeを使う分には問題はないでしょう。
LibreOfficeの歴史とApache OpenOfficeとの関係性
LibreOfficeは、サン・マイクロシステムズによる商用オフィススイート「StarOffice(StarSuite)」がオープンソース化されて生まれた「OpenOffice.org」の後継ソフトのひとつです。OpenOffice.orgの直系の後継としては「Apache OpenOffice」がありますが、そちらよりLibreOfficeのほうが圧倒的に活発に開発が続けられています。
価格について
前述の通りLibreOfficeはオープンソースで開発されているオフィススイートです。そのためLibreOfficeを使うのに特別なライセンス契約などは必要なく、無料で使うことができます。
Microsoft Officeのライセンス料がMicrosoft 365 Personalで1年あたり13000円ほどであることを考えると、LibreOfficeを選ぶ価値は十分すぎるほどにあるでしょう。
導入実績
LibreOfficeは多くの組織で使われています。日本では、会津若松市やJA福岡市が導入しており、特にJA福岡市はLibreOfficeの使い方をインターネット上で公開していることで有名です。
おわりに
LibreOfficeはFLOSSなオフィススイートとして有用なものです。Microsoft Officeの完全な代替とはなりませんが、Microsoft Officeの使えない環境では大いに役に立つことでしょう。
OnlyOfficeなるものについても気になっているので後で調べてまとめます。