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「Oracle」は中国では「甲骨文」として知られる

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はじめにまとめ

Wikidataによると、アメリカのソフトウェア会社であるOracleは、中国では「甲骨文公司」として知られているようです。

古代中国には、亀の甲羅を火で炙ることによってできた亀裂から国の未来などを占う、「亀卜」というものがあり、甲骨文(甲骨文字)とはこの亀裂、そしてその亀裂から作られた文字のことです。漢字の由来としても知られます。

そして「oracle」という英単語には「神託」という意味があります。つまりOracleは、自身の会社名の中国語版を考える際、その会社名の元となった言葉の持つ意味を元にしたというわけです。

ここから余談

よく日本語話者は、日本語以外の言語の言葉を外来語という形で借用します。大抵、借用したその言葉はカタカナによって表記されることで他の言葉と区別されます。日本語の柔軟性を活かしたものでとてもよいと感じます。

実際、日本語ではどう表せばいいかわからない概念というものもこの世の中には多く存在します。特にIT用語には多いです。例えば「インターネット」とか。コンピュータの世界規模の相互通信網のことを言うこの言葉ですが、日本語の単語として表現するのは困難を極めます。

そういえば、と私はこのタイミングで思い出しました。中国語ってなんでも漢字にしたがるよな、と。これは私個人の印象ですが、中国語では外国語の取り込みに際し、漢字で表すことに積極的です。企業の名前などは(日本語でカタカナを使ってするように)発音を基準に漢字をあてることもありますが、一般的な概念に関しては意味のある漢字の組み合わせで表現しているように見受けられます。

というわけで、Wikidataの「Internet」の項目で中国語表記を調べてみたところ、「互联网(互聯網)」であることがわかりました。日本語話者であり中国語を知らない私にも、なんとなくニュアンスは伝わってきます。しかし2文字目の「联(聯)」はどういう意味でしょうか。

」という漢字について手元の電子辞書で調べてみたところ、残念ながら載っていないようで、手書き入力では認識されませんでした。仕方がありません、こういうときは本場の検索エンジンでこの漢字を調べ、その結果を翻訳機につっこむのがベストです。というわけでBaidu百科という中国でよく使われているらしい百科事典にあたりました。

联(读作lián)是汉字通用规范一级字(常用字)。最早见于甲骨文。会意字,由耳和表示接连不断的丝两部分组成(在繁体字中),今简化为联。联本意表示连接,引申指互相结合,也指对联。

联(汉字)_百度百科

中国語も文章となると流石に読めませんので、Google翻訳につっこみました。以下はそれに憶測に基づく手直しを加えたものです。

(liánと発音します)は、常用漢字です。Oracleで最初に見られました。と連続したによって構成された会意字であり、現在は簡略化されています。この漢字の本来の意味は接続であり、互いに結合することや、連句も意味します。

唐突なOracle!

どうやら「甲骨文」という単語が「Oracle」と訳されてしまったようでした。「甲骨文」は日本語で言う「甲骨文字」のことであると、文脈から簡単に理解できます。しかしなぜOracle?

……というわけでいろいろと調べ、最初に書いた「Oracle=甲骨文公司」という事実に辿り着いたのでした。

さて本題へと戻りまして、中国語ではインターネットは「互联网(互聯網)」と表され、これは「相互に接続しあい結合してできた網」という意味でした。いい線を行っていると思いますが、コンピュータが接続しあっているという部分が抜けているため少し惜しい感じを受けます。

とはいえ、そもそものインターネットという概念が難しいことや、そもそもの「インターネット」という言葉自体がすべてを表したものではないことなどを考えると、どこかしらで妥協が必要になりそうです。そういったことを考えると、「互联网(互聯網)」は頑張っていると感じます。

おわりに

話を戻しまして、Oracleは社名の由来となった言葉の意味から中国での名前を決めたようでした。ちなみにGoogleは発音から「谷歌(Gǔgē)」と、Appleは意味から「苹果公司(蘋果公司)」と、Facebookは(基本的にそのままなようですが)意味から「臉書」と、Amazonは発音から「亚马逊(Yàmǎxùn)」と、Microsoftは意味から「微软(微軟)」とするようでした。

個人的に、Microsoftの微軟が面白いと感じました。たしかに「micro→」で「soft→」ですね。中国語ではソフトウェアのことを「软件(軟體)」というらしいですし、おかしなことはないのですが……なんだか面白いです。

以上です。それでは。