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本当はおいしい病院食について

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はじめに

私には持病があります。この持病とは何度も「やり合ってきた」仲で、入院したことも何度もあります。

さて。「入院」と言ったとき普通の人が真っ先に思い浮かべるであろう事柄として、「味が薄くおいしくない病院食」というものがあるかと思われます。これについて、私の率直な感想を述べますと……少なくとも私が何度か入院した病院の食事については結構おいしいです。それについて、具体例を挙げつつ語ってみようと思います。

麦ご飯

まず麦ご飯です。いつも食べる白いご飯の中に、大粒で粘り気のある麦粒がときどき入っているような感じです。割合としてはそこまで多くないのですが、それでもその圧倒的存在感でテンションを上げてくれました。香りがよく、食感もよい。麦粒の割合が多過ぎると流石にだるかったかもしれませんが、出てきたご飯の割合は丁度よかったため、特別感をうまく演出してくれました。

麦ご飯、食べたことありますか? 私の家庭では一度も出たことがありませんでした。まぁ個人宅で炊き込むのは大変そうですからね。しかしそこは流石は病院食。一度に大勢に出す食事ですから、こういったことは朝飯前なのでしょう。

豆カレーと一緒に出たのですが、もう相性抜群でした。豆のしっかりとした食感と麦粒の強い粘り気により、「私はいま食べている!」という感覚が強かったのです。

和風ハンバーグ

和風なおろし醤油味のハンバーグが出たことがあったのですが、肉々しくとてもおいしかったです。「飲み込みがいのある旨み」といった感じでした。

私は普段家ではケチャップを使ってハンバーグを食べています。子供舌なことですが、慣れているのでそれが最もおいしく感じられるのですよ。ですので和風なハンバーグを食べることは、私にとってはちょっとした挑戦でした。しかし実際に食べてみたら、大根おろしの酸味が上手くハンバーグ自体の肉々しさを引き立てていてとてもよく、癖になってしまいそうでした。今度は家でもおろし醤油で頂いてみようかと思います。

ただ少し文句を言うなら……ご飯が足りませんでした。もっと食べたかったですね。

調味味噌(えびみそ、いりこみそ等)

えびみそも非常に美味でした。えびみそとは、別にカニミソのような「ミソ」ではなく、味噌にすりつぶした海老を混ぜ込んだもののことです。……おそらく。チューブに入れられて出されたので、正直、どういう調理をしたのかは憶測です。ただ原材料を見た限り、そういう調理だったのだと考えられます。

さてそんなえびみそですが、非常にご飯と合うものでした。下手なふりかけよりよっぽどおいしかったです。濃い旨みと適度な塩気でご飯が無限に進みました。

同じ系統で、いりこみそというものも出ました。「いりこ」とは煮干しのことです。これもまた美味でした。

ジャムとマーガリン

朝食として食パンが出ることが何度かあったのですが、そのとき、ジャムやマーマレードとマーガリンが出ました。これが普通においしかったです。特別めちゃくちゃおいしいということはないのですがね。

おわりに

といった感じで、パッと思い出せるものでも結構おいしいものが多い病院食でした。私は基本的に完食していましたね。完食できなかったのは、大の苦手である納豆が出た朝と、大の苦手であるしじみが出た夜だけです。

病院食は味が薄くおいしくないと言われますが、それには反例があるよ、というお話でした。

あぁあと、給食を思い出して懐かしい気持ちになりもしましたね。

少し補足

病院食はある程度患者に合わせたメニューをしています。一日の合計熱量や塩分量を適切に管理しているのです。つまり、不摂生がたたって生活習慣病になり入院を余儀なくされた人は、低塩分な食事を出されている可能性があります。そりゃあおいしくないですよ。絶対的にも相対的にも。

ただそういう事情があったとしても、病院食は非常においしくなるように作らられているものだと思います。プロの栄養士さんがわざわざ不健康な私達のために作ってくれているんですから。病院で楽しみがない私達のことを考えて、七夕にはメッセージカードを置いてくれたこともありました。ありがたすぎるでしょう本当……。