エビデンスのない健康法、意識だけが高まる自己投資術、ガジェット紹介ばかりのライフハック……。もしあなたが、世の中にあふれるそれらに疲れ果て、もはや何が本当で何が嘘なのか分からなくなってしまったのなら、この記事がその心の曇りを一瞬で吹き飛ばしましょう! エビデンスに基づき、実体を伴ったライフハック。それは——
——ひなたぼっこ、です!
そう、ただのひなたぼっこ。しかし侮ってはいけませんよ〜!
そもそも太陽がヤバい
1500万ケルビン、2500億気圧という超高温×超高圧なプラズマ炉——太陽で今なお進行する熱核融合反応は、1秒間で人類文明が歴史上使ってきた総エネルギー量を上回るほどの莫大なエネルギーを生み出します。
それこそが、太陽から1億4960万kmも離れたちっぽけな惑星で、“英知人”を自称する種族が今日活用しているほとんどのエネルギーの源です。
太陽光発電は当然として。風力発電において、大気を温めて風を作るのは太陽です。水力発電において、水を蒸発させ雨を降らせるのも太陽。バイオマス発電に使われる植物は、光合成として太陽エネルギーを取り込んだようなもの。また、化石燃料は古代植物の蓄えた太陽エネルギーの化身——つまり、形を変えた太陽エネルギーです。
そんな太陽の強大さは、普通に生活していても感じられることでしょう。明るい昼と暗い夜。夜闇を照らす月明かり。夏の暑さと冬の寒さ。雨が降り、風が吹く。このどれもが太陽に由来するとなれば、認めざるを得ないでしょう。太陽は規格外であり——“チート”である、と……!
っていうか人体もヤバい
もちろん、ここまで挙げたことだけがすべてではなく、むしろわかりづらく目に見えない形でも、太陽は私たちに影響を与えています。
とくに高緯度地域では、冬になると体調を崩しやすくなります。これは日照時間が減ることで、夏であれば合成されるはずのビタミンDが不足することが原因の一つです。そう、人体は自らに必要な栄養素を太陽光から自前で作れるようにできているのです。
同じことはセロトニンにも言えます。不眠症や冬季うつへの科学的に有効な治療の一つとして、強い光を網膜で感じる「光療法」があります。あなたがカーテンを開けた瞬間、室内に射し込む数千ルクスの光。それが私たちの人体に大きな影響を与えるのです。
太陽光は、言ってしまえばほぼ毎日自動的に届く資源であり、ただ浴びるだけで、ホルモン調整から免疫調節、骨代謝の補助や睡眠改善といった効果を発揮します。初期費用ゼロ、追加費用ゼロの完全無料なサブスクリプション。これほどヤバいサブスクもないでしょう!
紫外線のヤバさに対する防衛術
ただし紫外線を浴びすぎることはむしろ健康を害することに繋がります。とはいえ害を最小化しつつ益を最大化することは工夫次第で可能です。
シミやシワ、皮膚がんなどのリスクは「皮膚の特定の部位がどれだけ紫外線を受けたか」で決まりますが、ビタミンDの合成量は「紫外線の強さ×時間×皮膚面積」で決まります。つまり、広い範囲でまんべんなく日光を浴びれば、局所的なダメージを抑えながら必要量を確保できるのです。
最適なのは全裸。でなくとも半裸が望ましいでしょう。真夏のビーチくらいでしか許されないギリギリ合法な格好……。別の意味でヤバい!
とはいえ冬場は日射角度が低く、部屋の奥まで光が届くようになります。時間帯を選べば室内でもひなたぼっこができるでしょう。部屋の中なら全裸もOK! ただし窓ガラス越しではビタミンD合成に必要な波長の紫外線がカットされるため、窓は開けましょう。日光は暖かいので、窓を開けても意外となんとかなります。
まとめ:これぞライフハック!
というわけで、合法的な範囲で一番ヤバい行為として、ひなたぼっこを紹介しました。無料でできて、ただじっとしているだけで良い健康法。高価なガジェットを買ったり、自分を追い込んだりする前にできることは確実にあります。ひなたぼっここそが、太陽の力と人体の仕組みをフル活用した、真の“ライフハック”と言えるでしょう!