okayurisotto.net

私が好きでやったことが他の人のためにもなったらお得かも!

自分なりの呼吸法で、入眠がうまくいくようになった話

公開日:
最終更新日:

最近、すんなり眠りにつける日が増えてきました。とてもよい傾向です。日中にひなたぼっこをしたり、ラジオ体操や筋トレといった運動を取り入れ始めた影響もあるだろうとは思うのですが、それだけではないような気もしています。

というのも、最近になって「息を吐き切った状態でしばらく止めてみる」というシンプルな動作が、自分でも驚くほどリラックスできるものであることに気づいたのです。睡眠薬を飲んだあと、暗くした部屋の布団の中でこれをやると、体の力がじわじわと抜けていき、自然と眠りに向かう準備が整っていくのを感じます。

睡眠障害に悩み始めてから、もう10年は経過するでしょうか。ようやっと、自分に合うリラックス方法を見付けることができたのかもしれません。

深呼吸とリラックスの関係

一般的にリラックス法といえば深呼吸、特に腹式呼吸がよく挙げられます。おへその下あたりにあるツボ、丹田を意識する「丹田呼吸法」や、4秒吸って4秒止めて8秒かけて吐く「4・4・8呼吸法」、同じような止める時間が長めの「4・7・8呼吸法」など、種類もさまざまです。

これらの違いについて調べてみても、明確な線引きは見当たりませんでしたが、これだけ多くの方法が存在するというのは興味深いものです。

実際、権威ある機関でも「深呼吸・腹式呼吸は良い」と太鼓判がおされています。

厚生労働省のメンタルヘルスサイト「こころもメンテしよう」の記事では、腹式呼吸の方法として、呼吸に合わせてお腹がへこむ・ふくらむ感覚を意識すると良いことを紹介しています。

日本医師会の解説記事では、「吸う時間の倍くらいかけて吐くと良い」という助言があり、これは4・4・8呼吸法や4・7・8呼吸法に通じます。

厚生労働省のポータルサイト「こころの耳」では、ヨガ由来のさまざまな呼吸法を紹介し、その中では息を止めることの効果にも触れられています。

さらに環境再生保全機構の解説では、口すぼめ呼吸が気管支を広げる効果を持っていることに言及されています。

こうして眺めてみると、呼吸法の世界は本当に興味深いですね。

とはいえ、私には私のやり方がある

腹式呼吸は「赤ちゃんの呼吸」と言われるほど自然なものであり、声量の必要なオペラ歌手や舞台俳優も実践しているなど、広く知られたテクニックです。横隔膜を使うことで内臓が刺激されるという話もあります。

ただ、私個人の感覚としては、一般的な「お腹を使って息を深く吸ってからしばらく止める」タイプの呼吸法はどうにも苦手で、無理があるように思えてしまっていました。息を吸い込んだ状態を維持し続けることには意外と力が必要な気がして、その力みがかえって落ち着きを妨げてしまうのです。

それよりも、息を吐き切って完全に力が抜けた状態のまま、しばらく吸わずにぷぇ〜っと静止しているほうがずっと楽で、自然な脱力が得られます。次に吸う空気の量や秒数も気にしません。ただ、自然に肺に入ってくる空気を許容するくらいの感覚。そのほうが、私にとってはずっとリラックスできるのです。

なぜこれが落ち着くのか、自分でもあまり理解できていません。吐き切った状態で息を止めることで、筋肉や脳の酸素消費を抑えざるを得ない形になっているのかもしれません。実際、息を止めている間は動くのも億劫になりますし、雑念が入り込む余地も減ります。もしかしたら、秒数を数える行為そのものが私にとっては「雑念」だったのかもしれません。

あとは、睡眠中は心拍数が下がるという知識を得たことも影響しているかも……? 私が常に装着しているスマートバンドの記録を見てみると、眠っているときの心拍は50BPM台まで下がっているようで。こうした事実を知ってから、自分の心拍という内側の感覚に自然と意識を向けるようになったのかもしれないなと。

とはいえやはり、息を止めるのですから注意が必要です。前述の「こころの耳」における息を止める呼吸法についての解説動画には、「血圧異常のある方はお控えください」「やり方を間違えるととても危険」とあります。無理は禁物。私にはこれが合っていたというだけです。

おわりに:方法論は無数にあっていい

呼吸法には本当にたくさんの種類があります。「どれかが絶対に正しい」「どれかが私に合うものだから、それを探し出さなければならない」と考えるより、「既存の方法を参考にしつつ、自分の体にとってしっくりくるものを編み出していく」くらいの捉え方が良いのかもしれません。私の場合は、吐き切ってから止めるという、ごくシンプルな方法がたまたましっくりきただけ。形式に囚われすぎるのはよくないのでしょう。

苦節10年。ようやく自分の体のことがわかってきた気がします……。